Yume’s diary

Workawayを利用してドイツとデンマークの家庭やホテル学校でボランティアを。その後台湾で中国語を勉強していました。田舎の女子大生のブログです。。

「陝西省魅力宣伝大使」圧巻の兵馬俑と歌劇鑑賞。DAY3

2日目の記事はこちら

yumet.hatenablog.com

 

前回の投稿から日が開いてしまいました。

というのも、西安で秦の始皇帝兵馬俑を見てから、中国の歴史、特に春秋戦国時代について興味を持ったので、アニメ「キングダム」を見始めてしまい、ブログを書く時間がありませんでした。

 

アニメ自体も面白いですけど、秦の始皇帝「嬴政」の墓を実際に見て、これほどの大きな権力を握っていた人が実在したことを目のあたりにした西安での記憶が思い起こされとてもロマンを感じます。ちなみに今のところ一番好きなキャラクターは「王騎」です。

 

引き続き西安での旅行記を書き綴ります。3日目の内容はまさにこの旅行のハイライトと言える、秦の始皇帝陵と兵馬俑遺跡訪問の内容です。

 

朝からホテルを出発し兵馬俑博物館へ向かいました。

西安随一の観光名所であるため、様々な国から観光客が来ていました。

兵馬俑博物館は1号館・2号館・3号館・秦始皇帝陵文物陳列庁で構成されています。

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有名な兵馬俑が大々的に発掘されたのは、1号館です。

1号館に始めに足を踏み入れた時は、大きなドームの下に並んだ兵馬俑たちが壮観で感動しました。

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兵馬俑といえば、学校の教科書などで見たことある人がほとんどだと思いますが、始皇帝が埋葬されている驪山陵と呼ばれる山の東側にある兵馬俑の遺跡です。始皇帝陵を背にすべての兵馬俑たちが東を向いて東からくる敵をにらむ形で埋まっているのが発見されました。

この遺跡が発掘されたのは1974年とそれほど昔のことではありません。

約2200年前に始皇帝の墓の周りに作られた副葬品であることを考えると、かなり長い期間存在を知られることなく、地中に埋まっていました。

 

この兵馬俑遺跡は、陝西省の田舎で暮らしていた農民5人が井戸を掘っていた時に、たまたま見つけた遺跡だそうです。この5人は世紀の大発見をしたにもかかわらず、報酬として500円と少しの褒美品をもらったそうです。

 

この話を聞いたとき、これほど中国の歴史的文化的価値のあるものを発掘したのになんて少ない報酬なんだと思いました。ただ、兵馬俑の現状を知ると、それほど大きな報酬が与えられないのかもしれないと思いました。(ただ10万円くらいはあげるべきだと思います。)

 

というのも、兵馬俑遺跡はまだ採掘半ばです。多くの兵馬俑がまだ土の中に埋まっています。土の中に埋まっている兵馬俑のほとんどが損壊が激しく、元の形に直すのには時間がかかります。また、兵馬俑には本来色がついているのですが、発掘して空気に触れると10秒ほどで色が消えてしますそうです。

唯一赤色のみが色褪せずに残るのですが、ほかの色については現在も色を保ったまま採掘する方法が研究されているそうです。

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このまま、研究が進めば、2200年前の色がついた兵馬俑を見ることもできるかもしれないということですが、すべての兵馬俑を採掘するのにはあと100年はかかるそうです。

 

多くの兵馬俑が並んでいる兵馬俑博物館1号館内部では、入り口付近の兵馬俑は修復済みのものが並べられていましたが、後方の兵馬はまだ修復中であったり、土に覆われたままでした。

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この兵馬俑遺跡は、世界ユネスコ遺産に登録されています。

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この遺跡群が世界遺産登録された最大の理由は、兵馬俑の精巧さが挙げられるようです。一体一体の顔は異なります。前回の記事でも述べたように、西安は古代から様々な民族が入り混じる多民族都市だったことを表すように、兵馬俑の目や顔の形は様々でした。

 

兵馬俑の姿かたちは2200年前の秦軍の様を忠実に再現しており、歩兵、弓兵、騎馬兵、馬車などが作られています。

2号館では、保存状態が非常に良かった兵馬俑が展示されていました。

これは位の高い武将の兵馬俑です。

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当時の兵において、位の高さは靴で判断できたそうです。位の低い者は位の高い者の目を実際に見ることが許されなかったため、目線を下げたまま位の高さを判断するために、靴が違ったそうです。位が高い者の靴先はこの兵馬俑のようにとがっています。

また、この兵馬俑は手を組み人差し指を少しそらせています。これも高官の証拠だそうです。

 

この兵馬俑は弓兵です。髪のお団子が真ん中ではなく、左に傾けて結われています。これは弓を引くときに髪が当たらないように工夫したためだそうです。背中の赤の色がまだ残っています。

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この弓兵の靴底は、現在の私たちが履くサンダル同様に溝が施されており、また、手相まで彫られています。当時の軍装備の先進具合にも、精巧な兵馬俑制作技術にも本当に驚きます。この兵馬俑が作られた当時、日本は弥生時代前期でまだ文字も存在していなかったそうです。

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最後に、秦始皇帝陵文物陳列庁で銅車馬などの展示品を鑑賞しました。これらは始皇帝陵の西側で発見されたものです。

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乗る人の位によって馬の数が異なるそうですが、この馬車の上の傘は、日差しの傾きが変わるごとに角度を変化させることもできるそうです。

アニメ「キングダム」を見るたび、「この展示室で見たやつだ~」と思い出します。きちんと乗っている人物の位によって馬の数も変えられているので、結構忠実に書かれているのだなと感じました。アニメの内容がどこまで現実の話かわからないので、アニメを見終えたら他の本や映画も読みたいと思います。お勧めがあれば教えてください。

 

博物館の出口付近には、多くのお土産屋や飲食店が広がっていました。

このお土産屋の一つに、この兵馬俑遺跡を発掘した5人の農民の内の一人であるおじいさんがいます。ポストカードを買うとサインしてもらえるので、欲しい人は行ってみてください。

少し前にSNSで話題になっていた画数が最も多い漢字「ビャン」(変換候補にありませんでした。)を名前に持つ「ビャンビャン麺」の店舗も周りに多くありました。このビャンビャン麺は西安が発祥の地だそうです。名前の由来は、麺を伸ばすときになる音からきているそうです。

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近くの山で狼が多く生息しているらしく、毛皮も売られていました。

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博物館を出てバスで少し移動すると、いよいよ始皇帝が眠っている始皇帝陵につきます。

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始皇帝陵は写真に見える小高い山「驪山」の下に埋まっています。現在は山に登ることはできませんし、まだ墓の内部は発掘することもできていないそうです。なぜなら、古くから残る書物に、この陵には盗賊を防ぐために様々な罠が仕掛けられていると共に、大量の水銀も埋められていると書き綴られているためです。実際に調査したところ、水銀の反応が出たため、現在の技術では安全に発掘を行うことができないそうです。兵馬俑遺跡だけでも素晴らしいものであったので、陵内部はそれ以上に素晴らしいものがあるのだろうなと想像が膨らみました。

 

始皇帝陵を出たら、「悅來中華菜」という田舎料理屋で昼食をとりました。こちらの田舎料理が、中国滞在中のご飯のなかで最もおいしかったです。また食べたいと思います。

 

昼食後は、ミニ兵馬俑を作りました。こねるところまでは、自分でできましたけど、形成は、手際がプロすぎるおばさま方にお願いしました。技術が素晴らしかったです。

 

昼食後が華清池を訪れました。

 

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ここは玄宗皇帝が楊貴妃のために作った離宮で、楊貴妃専用温泉や玄宗皇帝と楊貴妃二人のための温泉跡がありました。

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花のような形をしたのが楊貴妃専用の風呂です。

 

楊貴妃は1年の半分をこの離宮で過ごし、まさにこの絵のように玄宗皇帝と音楽や踊りを楽しみ、贅沢なごちそうを食べ楽しんでいたそうです。

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楊貴妃はライチを好んで食べたため、楊貴妃のためにライチを新鮮な状態で届けるために、ライチ専用の早馬が走っていたそうです。玄宗皇帝の寵愛ぶりがわかりますね。

 

現在は温泉地として有名だそうで、また西安に来た際は、温泉に入ってみたいと思いました。

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華清池を後にし、夕食を食べた後は、歌劇を見に行きました。

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これが、本当に期待以上でとてもよかったです。

演題は「大唐女皇」というもので、唐で唯一成功した女性皇帝「則天武后」の人生を描いたものでした。

演劇では、唐時代の楽器を使った生演奏や、美しい衣装や踊り、古風な雰囲気とは対照的な、最新の映像美が素晴らしい背景など、どれも素晴らしかったです。

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これは、西安を訪れるならば、必ず訪れるべき場所だと思います。本当に素晴らしかったです。

 

 

 

このような感じで3日目も盛りだくさんの内容でとても長く濃厚な一日でした。

記事は4日目に続きます。